東北大学アマチュア無線部部誌 Vol.1 新入生歓迎号(2020年7月発行)

Vol.1 表紙

コロナ禍においては、東北大学においても部活・サークル等の課外活動が制限され、対面での活動が制限されておりました。JA7YAAにおいてもオンラインでの活動が中心となり、コンテストや移動運用などの対面での活動はできなくなりました。例年行っていた活動ができなくなった代わりの活動として、今年度は部誌の執筆・編集・発行を行うことにいたしました。本誌はその第1号となります。ぜひご覧ください!
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東北大アマチュア無線部へようこそ
富沢いずみ

さて、このページを今見てくださっていると言うことはアマチュア無線に少しでも興味を持っている方ということになるのでしょうがアマチュア無線って何なの?大学のサークルのアマチュア無線部はどんな団体でどんな活動をしているの?と素朴な疑問を持っている方も多いと思われます。確かに今の時代アマチュア無線に全く触れることがなくても国内外の人と電話、SNS、ウェブサイトなどを使って気軽に連絡を取ることが出来るためその存在をあまり知らなくても自然なことと思われます。しかしアマチュア無線は未だに様々な可能性を持つ楽しい趣味としてそして時には便利なものとして知って、使って損のないものなのです。このページではそんなアマチュア無線についての基礎知識と当部についての紹介を行っていきます。また本冊子の他の記事にはアマチュア無線に関する技術的な記事や運用についての記事など様々取り揃えていますので是非楽しんで読んでみて下さい!!

お手軽移動運用
WTX

アマチュア無線には様々な運用スタイルがある。常置場所での運用、モービル運用、移動運用などである。示した3つの運用スタイルのうち、常置場所で運用できることに越したことはない。というのも常置場所であれば電源に困ることもなく、常置場所では50Wをこえた出力の免許をおろすことができるからだ。常置場所以外で移動する局の免許では50W以下の出力しか免許されないのである。ただ、私の環境で常置場所運用ができるかと言われれば、NOである。私の自宅は小さな学生アパートであり、ベランダにVUのアンテナくらいなら設置できているが、波長の大きなHFのアンテナなどは設置ができても、短いものだと飛びがいまいちである。そこで、私のできる運用方法は移動運用である。移動運用と聞くと、車に発動発電機やらの大がかりな設備のことや毎回アンテナの設営をしなければならず大変だという考えをお持ちの方もいるかもしれないが、この記事ではお手軽移動運用と題してお手軽に低コストで移動運用をしようというコンセプトで私の移動運用を紹介していきたいと思う。

アナログ変調方式の種類とその利点について
リー

私たちは、日々の暮らしをスマートフォンなどの電子機器に支えられています。その中でも、電話やインターネットなどの無線通信の発達が私たちの生活を良くも悪くも劇的に変えたものだと思っています。ですが、その無線通信について私たちが知っていることはあまりありません。ということで、どのように情報が私たちの元へと届けられているのかを調べてみました。

1アマ受験記
WTX

アマチュア無線の資格は1級から4級まで存在する。私は大学に入学してから、まず3アマを取得した。しかし、1級への憧れの気持ちがあり、1級を取得したいと思っていた。ただ、不安もあった。電気系の勉強をほとんどしていないからだ。それに大学での専攻も工学部ではない。この記事では、電気系の知識が皆無な私がどうやって1アマの受験に臨み、合格したのかということをまとめたいと思う。

135 kHzアンテナの制作
部員A

アマチュア無線における通信は,長波(LF帯)からミリ波(EHF帯)まで行われている。高周波では素子の寄生容量や伝送線路の遅延など考慮すべき事項が増え、特にミリ波では特に送受信機の設計が困難になる。一方で、主にアマチュア無線で使用されるHF帯やVHF帯、UHF帯と比較すると、LF帯は寄生容量等の影響が少ないため,送受信機の設計が比較的容易であるが、波長が非常に長いため、送信アンテナが巨大化してしまうという問題がある。具体的に135 kHzにおいて波長は約2.2kmであり,半波長ダイポールアンテナであれば約1.1km、1/4モノポールアンテナであれば約0.5kmの寸法が要求される。また、低周波では垂直偏波を用いることが一般的であり、500 m超えのアンテナを設営することは非現実的である。更に実用的な大きさまで小型化を図ると、波長に対し小さいため効率が悪く、十分なアンテナゲインが得られないことが推測される。本稿では、135kHzの送信機で使用するアンテナを設計する。アマチュア無線以外でのLF帯の利用例としてはRFIDや電波時計のバーアンテナがあり、それらのアンテナを使用することが考えられる。しかし、両者とも磁界を使用したアンテナであり、受信専用なら問題ないがアマチュア無線の長距離送受信には不適切である。そのためここでは、図1に示す構成で135 kHz モノポールアンテナを設計する。

E級アンプを用いた135 kHz帯FSK/GFSK送信機の試作
JP7VTF

135 kHz帯は長波帯に属する、アマチュア無線で運用可能なバンドにおいて最も周波数の低いバンドです。135 kHz帯においてアマチュア無線に割り当てられた帯域は2.1 kHz (135.7~137.8 kHz)と狭く、運用可能な電波形式および通信方式はCW(モールス符号による通信)や狭帯域データ通信など占有帯域幅が200 Hz以下のものに限られます[1]。135 kHz帯の送信機は市販品が少なく、自作やキットを製作することが多いようです。135 kHz帯の波長は約2.2 kmと非常に長く、アンテナ製作においても技量が必要とされています。これらの特徴は、通信業務を困難にすることばかりではあるものの、技術的には極めて魅力的な課題です。そこで今回、JA7YAAでもこの135 kHz帯の運用に挑戦するためにFSK/GFSK送信機を試作したので報告します。

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